chatnoirrock’s diary

自己満足

私が今語れる「人生」

 

「人生を語れる教員になってください」

 

高校を卒業する時、母校の先生からいただいた言葉。

その言葉がずっと胸にある。

 

 

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私は、あまり興味のない業界に入って、淡々と仕事をこなす日々に意味なんてあるんだろうか、と最近まで思って仕事モチベーションが下がっていた。

しかし、考え方を変えた時、今選んだ道にものすごい意味があるように感じた。

 

 

私が仕事を辛いと感じる理由の一つに、自分の仕事が誰に取ってどれくらい役に立っているのかわからないから、というものがある。

お客さんにとってはお金を払って得たシステムが動くのは当たり前くらいに捉えられてるんだろうな、と思っていた。

そんなことを考えていた時、ふと自分自身が日常的にお客さんと同じような思考をしていることに気付く。

 

 

今切っているほうれん草、昨日焼いた豚肉。

食材を買って手に入れて毎日黙々と調理する。

無感情で調理していたけど、よく考えるとこの食材は、顔の見えない誰かが育てて運んで売ってくれなかったら得られないものだ。

 

私は、22年間一度も身の回りの食べ物や服、物を作ってくれた人に感謝の気持ちを向けたことがなかった事実に驚いた。

 

「自分の身の回りのものは全て当たり前に存在しているわけではない。」

 

この仕事に就いたことで、この言葉の本当の意味を知ったような気持ちになった。

もし、将来教員になって

「ご飯を食べられることに感謝して、食べましょう。」

と言った時、一体何人の生徒がこの言葉を覚えているだろう。1,2人覚えていたらすごいくらいかもしれない。

もし、先ほどのエピソードと共にこの言葉を言ったらどうだろう。覚えてくれる子が3,4人に増えたりして、そして社会人になって働いて似たような体験をした時、ふと私の言葉を思い出してくれないかな。

 

そんなことを考えると、きっとこの仕事についたことに、淡々とこなす日々の中で自分の感じることに意味がある気がしてくる。

 

 

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「あなたが先生になった時、生徒の何割が教員を目指すでしょうか。大学を卒業して教員になる人ももちろん沢山いますが、その人たちは教員以外の道を知りません。そんな人たちが、生徒に人生を語っていけるのだろうか、と私は思うのです。」

 

民間企業で働いてから教員になった先生の「人生」から生みだされた言葉は、私にずっと影響を与え続けている。

 

 

まだ社会人の入り口に立ったばかり。

今の仕事をする中で色々な経験を積んで、自分にしか語ることのできない「人生」を歩みたい。

そして、将来誰かの心にずっと残る教育を施す先生になりたい。